2013.03.28 余韻
 私の茶事では、客からお礼の金子は受け取らないことにしている
代りに「いつの日にかの茶事のお誘いを心待ちに致します」と云う
つまり、「茶事には茶事で返す」という古来のやり方を是とするが故である
昔は茶事の手土産に、人の好みを問わない茶巾等の消耗品を持参したようだが
最近は、日持ちの良い半生菓子や干菓子を持参することが多いようだ

 で、閑話休題
一昨日の茶事で、皆が薄茶を呑み終えた際に、京の焼物師から自服の薦めがあった
そして、「よかったら持参したお茶碗で如何ですか」、と云われる
え?と思う私の表情に、「先程奥さんにお渡しした菓子袋に入れてます」との話
早速にその菓子袋を開くと、紙に包まれた御本写茶碗があった
隅に面白い変形が入って焼けたので私に持参したと云う、その京の焼物師
その茶碗で茶を点て、服紗を置き自服する、何とも良い呑み具合の茶碗だ
京焼物の名匠とNHKでも紹介されたり、展示会でも名の通った御仁である
それが箱に入れず、まして箱書きなんぞもせず、紙に包んだままで持参というのが嬉しい
こちらに気遣いをさせぬという、奥ゆかしい気持ちが伝わってくる

 皆さんを送り出した後、茶囲いの小間に戻って女房を呼ぶ
二人で残り火の釜前に坐し、その御本写茶碗で茶を喫す・・・、茶事の余韻である
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今日は、京都神戸の方に加え、生駒の塗師を招いての茶事
茶飯釜に鉄鍋の茶事で迎える段取りをする
勿論、菓子はよもぎ餅である
あまり早く作ると硬くなるので、昨夜の夜なべとした
上新粉かもち粉をぬるま湯で練り、蒸かして砂糖とよもぎを混ぜて練り餡を包み丸める
それだけのことである、何も難しい話ではない
蒸し上がったので、つき混ぜようと蒸し器から出してこねると、何かおかしい
うん? こんなはずじゃなかったと、時計を見ながら少々焦る
ふと、ゴミ箱の中をみると、そこに片栗粉の袋があった
上新粉と片栗粉を間違えた、ムベなるかな、近頃のボケ症状、
最初からやり直して、出来あがったのは午前2時・・
やれやれであった
2013.03.23 ヨモギ摘み
この週明けに、3人を招いての御礼茶事を予定
客は、京の焼物師とレストランチェーンの社長、そして神戸の女性茶人である
女性茶人は千家の流儀の方で、茶道学校の卒業者とか聞く
京や神戸の人は、菓子に一家言を持つ人が多いので、男の手作り饅頭にしようかと
今日は藪で青竹を切り、川原でヨモギを摘んで茹でておく、味の問答は無しが良し、

2013.03.21 三春の亀
 秋篠川の桜がチラホラと咲き出し、畑の梅は満開、民家の塀越しには桃の花
まさに三春の風景の中、川面に今年初めて亀の姿を見た
「亀鳴く」は春の季語とか、残念ながらその鳴き声は寡聞にして知らず
ところが最近、テレビで見て(聞いて?)ビックリ、確かに鳴いていた
ギィーとか、グィーとか、そんなような声であった

 「男の作法」で一言
声を出す時は、姿勢を止めることが肝要
「語先後礼」と云われている通り、挨拶を述べてからから、礼(辞儀)をすること
挨拶の時は相手の目をみて話し(息を吐き)、頭を下げ礼をするは息を吸いながら
そして、頭を上げ視線を戻す時は息を吐きながらすると形が決まる
2013.03.19 彼岸
 夜半の雨も上がった今朝、秋篠川の散歩は清々しい気分であった
さすがに彼岸ともなれば土手の桜も芽吹き、風光も和らいで感じる
彼岸にはぼたもち(牡丹餅)が付きものなので、昨日の稽古ではぼた餅を思ったが
茶菓子には大きく、それこそボタボタモチモチしており、如何なものかと思い
ままよと、桜の上用饅頭にしたことを、後で少々悔いる

 私の子供の頃から聞いていた話では、「ぼたもち」は上方の呼び名で、江戸は「おはぎ」
或いは、つぶつぶあんが「ぼたもち」で、こしあんが「おはぎ」とも聞かされていた
だが後日、ぼたもちは「牡丹餅」で春、おはぎは「お萩」で秋と聞かされ、納得したもの
それ故、春の彼岸はつぶあんの「ぼたもち」、秋はこしあんの「おはぎ」が正当なんだなと
得意の勝手読みをしながら、では夏と冬はと思ってはいたが、追求は止めていた
そこで今回知った話、「搗かない」餅を使うので、夏は「着き知らず」で「夜船」
そして冬は、「月知らず」で「北窓」と云う,とかどうとか
ここまで話が出来過ぎると、つい、ホンマかいな?と思う彼岸時の昨日今日
「付き知らず」なら私の人生餅かとも・・
2013.03.16 男の作法
銀行の待席で目にした雑誌の特集に、「男の作法」とあったので開いてみる
座敷での坐り方・姿勢、歩き方、挨拶・お辞儀の仕方、箸の持ち方等々で
千家茶道の作法が、写真や図式入りで解説されていた
武家茶道との違いはあるが、茶道が「男の作法」として特集されることは喜ばしい
訂正
6行目、やはり野に置け蓮華草↓
ここは「すみれ草」でないと、文意が通りませんね・・

朝は、愛犬「ハナ」と秋篠川の川沿いを散歩することから始まる
川原の景色には季節の移ろいが見られ、心が和む
今は紅紫に色付いた姫踊り子草の小花が、土手一面に途切れず広がり
そこかしこにスミレの花が混ざっている
「手に取るな やはり野に置け 蓮華草」という有名な句があるが
やはり野に置け「すみれ草」の方がシックリ来るように思える、今朝此の頃

「愚か者」に拍手1
嬉しいような、悲しいような
2013.03.07 愚者
ある本の中で「愚者は多くを語る」という文言を目にする
胸を突き刺された感覚がして、気持ちが萎える
パソコンと四苦八苦でブログを始めたばかりの此の身
キーボードを前にして、指の動きが鈍る
昨日の稽古は逆勝手
菓子はお水取りの時期ゆえ「糊こぼし」を用意する
二月堂の椿の名に因んだ菓子である
なんでも、坊さんが糊をこぼす云々との話らしい
http://www.satouden.com/html/link_details137.html

ところで、逆勝手
本勝手の稽古部屋で、炭点前は炉の反対側
つまり道具畳を客畳に見立てて行ったが
薄茶点前は客役が要る為、炉のカミ、床側でやることにする
炭の逆点前を終え、釜を90度廻して形を整えよう、環をを掛けグィッ!
釜が傾き、湯がドバドバとこぼれ、湯気と灰が濛々と舞い上がった
釜の正面から環を取らす、横から小手先だけで環を上げた報いの粗相
「糊こぼし」ならぬ、「湯こぼし」のお粗末となる
2013.03.04 一人一流
煎茶道の家元から招待を受け、熱田神宮の茶会へ出向いた
予てより煎茶道に興味を持つ碁友と一緒する
点心席と抹茶の濃茶・薄茶席、そして煎茶席の順に巡る
煎茶席の床には、山水画(文人画)と盛り物が飾られていた
本来、煎茶道は野や山に文人が集まり、茶を喫し清談を楽しむものと聞く
それ故、室内で催す際には床に野や山を連想させる山水画を掛ける
それも本職の絵画師のものでなく、文人の手になるものが好まれる
そして、野や山の実りの盛り物を飾るということになるとか
煎茶道では、抹茶茶道ほど決まりごとに拘りを持たず
究極は一人一流「いちにんいちりゅう」、という自由な茶を志向する
なるほどに、文人の文人たる所以の茶の形だと腑に落ちた
2013.03.02 囲碁と将棋
テレビの囲碁番組で、女性プロ棋士の話に首肯
囲碁の盤上には過去が残るが、将棋の盤上には過去が残らない
なるほどと、言葉の勝手忖度をし、一人合点する
武家の歴史には、「今が全て」という概念があるようで
武家の茶人に、切支丹大名が多かったことも考え合わすと
武家茶道の心情は、将棋に近いのかな等々と、思い巡らすひと時
六十半ばを過ぎると、過去や将来とは無縁の、今の茶が楽しめる気がする