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田圃の畦をうろつくアオサギ、餌を見付けついばむ様子が真剣である
記録的猛暑になると云われる今年の夏であるが、ことのほか過し易く思う
朝夕は涼しく、明け方は窓を開けていると寒くなり、布団を手繰り寄せる
夕涼みの風が懐かしい昭和の記憶を引き戻してくれる

この二十日に滋賀県信楽にあるミホ・ミュージアムというところへ行った
新興宗教の財団が持つ美術館で、何となく訝しく思う私は嫌厭気味であった
複数の知り合いから勧められたこともあり、新聞の文化欄担当だった御仁に同行
展示会は「極」と名付けられた「者の湯釜ー茶室の主ー」という企画であった
日本中の名だたる茶釜を一堂に集めているというのが売りであった
新興宗教財団の資金は潤沢というのが透けて見え、少々鼻白むがそれは置く
美術や芸術は成金権力者の元に集まると云うのが常であり、歴史の仇花とも云えよう
子の企画の宣伝文句は「重要文化財の茶釜を一堂に集めた」ということである
確かに一見の価値がある代物揃いで、館長も「茶の業界」で高名な御仁が就任
奈良の古い陶器の風炉釜から芦屋・天明・京釜の歴史が説明されていた

私が面白く思ったのは竈子(くどこ)の歴史、今昔である
昔の釜には竈子の鼎(かなえ)、つまり三脚が付いた釜があり、その現物が展示されていた
そして、善教房絵詞の現物も展示されており、室町期の釜を使った調理状況が分った
竈子の下に薪がくべられ、釜が煮立っており、まな板の上で鴨が包丁で切られている絵図
横には兎が縛られており、棚には魚が載っているという臨場感ある絵物語である
傍で数珠を手にした坊主が寝転がって、生き物を殺し料理するのを眺めて待つ姿
殺生や淫行を禁じる戒律を有すという仏教ながら、破戒僧が跋扈するする世の情景を描いている
宗教の唱える話と行状の矛盾を室町期の世人も良く気付いていなさったということであろう
ここの宗教団体、その辺りの教条を訊いてみたくなった

下の写真の左下が竈子(くどこ)、逆さまにすると五徳(ごとく)である
茶人を自称される人の間でも、意外と五徳が竈子の逆さ読みだとは知らぬ方が多い
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