2016.08.27 和田貫水の軸
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春日絵所預(かすがえどころあずかり)・和田貫水(つらきよ)の軸が仕上がった。
この絵では清原姓を使っている、軸元の籠花入は「春日野」、洒落たつもり。

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恐らく、北西側の若草山越しに見た春日山が描かれていると思われる。
春日山とは、東側にある標高497メートルの花山(はなやま)、この絵では向う側の奥山、
その左手になる西隣の標高283メートルの御蓋山(三笠山・みかさやま)の通称である。
御蓋山を「(春日)前山」、花山を「(春日)奥山」と区別し、今は春日奥山遊歩道がある。
もし、中央部の山が春日前奥山全体を描いているなら、向うの山は高円山となろう。
因みに、春日大社の宮司は元侯爵・花山院(かさんのいん)家の当主である。

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面相筆で五㍉角ぐらいに、「春日畫所預清原貫水謹 寫」と書かれている。
見事というしかない、虫メガネで見て解る精緻な筆遣いである。
面相筆とは、日本画で眉や髪毛を描くために鼠毛で作られた極細筆のこと。
昔は米廻船に棲む船鼠の毛を使ったが廻船が無くなった後は琵琶湖の熊鼠。
その鼠取り師も居なくなった昨今では、猫の毛が使われているらしい。

昨日の産経新聞奈良版に春日大社本殿壁画の描き直しが記事に出ていた。
無論、この十一月の式年造替に向けた四十年ぶりの描き直しということである。
描き直しを行う春日画所は正統大和絵の伝統を今に守るところである。
和田貫水、その人は明治の春日画所預であった。
市中に出回ることが殆ど無いらしいこの人の絵を私の知人が見つけた。
知人は有楽流茶人の南都塗師、仕事柄古美術商に出入りすることが多い。
古書古絵画の店でこの絵を見つけたと云って持って来てくれた。
それを代々寺社仏閣の表具を扱っている知人に表装を頼んでいた。
梅雨時期は避け、盆明け仕事と云っていたのを昨日届けてくれた。
軸を見に来た南都塗師は絵の費用を取らず、「プレゼントです」とか云う。
この秋に彼の展示会が開催されるので、この軸を掛けて添え釜をする所存。
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