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花が先に咲く彼岸桜(ヒガンザクラ)、姥桜(ウバザクラ)の例えになった桜である。

姥桜とは、葉が出るよりも先に花が開く桜のこと。
「葉がない」→「歯がない」→「姥」(老女)にかけた言葉。
本来の意味は、女盛りを過ぎても、美しさや色気が残っている女性のこと。
現代でいえば「美魔女」のような存在のことを指すとかいう。

先週水曜日のこと、友人からもらった米袋を抱かえて玄関の階段を上がった。
身を屈め米袋を置くと、腰というか大腿骨と骨盤の付け根辺りがズキンとした。
少し前から違和感はあったのだが、腰がのけるような激痛が走り動けなくなった。
行き付けの整形外科に電話を入れると留守電であり、本日休診とのこと。
その日は傷みで冷や汗を垂らしながら横たわったままで居て、次の日に病院へ。
最近の医者は何故往診を、患者の家まで来てくれないのかと、つくづく思った。
皆、自分の診療所に患者を来させて自分は診察室に坐ったままに居てごさる。
ソロリソロリと動きながら診察室に入り、最近の医者事情に文句を云いながら受診。
四ccの注射を打たれ、一週間分の痛み止め薬を貰い帰宅、また横になる。

九月は四日が稽古日で、七・八・九日に独人仏人の女子留学生が来ることになっている。
語学事業とホームステイなんかを手掛ける先輩から半ば強制的に受けさせられた話だ。
食事をする居間の障子紙を愛犬ハナがボロボロにしているので、貼り替えよう思っていた。
然し、この腰痛である、そこで幼なじみの建具職人に窮状を訴え、家に来てもらった。
障子紙の張替えを終え、二人で一杯飲みながら話していて、ある女性に電話を掛けた。
留守電だったので、「○○ちゃん、ナオトです、久しぶり、△△君が来ていますよ」、と残した。
○○ちゃんは私の東京の下宿先の主人の妹で、△△君も東京へ来た時はそこに泊まった。

その夜である、彼女から電話がかかって来た。
「ナオトちゃん、番号を間違えたでしょ、あの番号は自宅の電話、長男家族が住んでいる。」
家に戻ると、長男が『○○ちゃんとは母さんのことだろう、男の人から電話が入っている』云々
長男と嫁は訝しそうな顔、中学生の孫娘はニコニコ、そして彼女はドキマキ慌て顔とか。
「昔、下宿していた学生さんで、物静かな文学青年だった人、私はチャキチャキだった」
御亭主に先立たれて、一人身の彼女は何か意味不明の云い訳めいた答えをしたらしい。
私は話を聞いていて可笑しくなった、しかし初めて知ったことがあった。

彼女の知り合いの多くは身長が縮んで来たが、自分は168・5センチのままだと云う。
「アンタは164センチやったんと違うのか」と私が云うと、「ナオトちゃんにはね」と彼女。
私は身長162センチだったので、彼女は身長を誤魔化していたのである、五十年間も・・
長男に「男の人からの電話」と云われてドキマキしたのなら、それは人生の幸福というもの。
「姥桜の花が咲いた気分になったやろ、ワシに感謝せんとアカンで」と云って電話を切った。
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