2016.10.21 花落知多少
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自分が落ちた場所を示す愛犬「ハナ」。

孟浩然の春眠の頃ならぬ、秋の夕暮に「ハナ落つること知る多少」である。
茶会荷物の運び込み準備に追われていた一昨日の夕方のこと、
外が暗くなりかけて来たので、女房殿にハナの散歩を頼んだ。
すっかり日が暮れても二人(?)は戻ってこないので、何となく心配になっていた。
案の定、一時間を過ぎた頃になって悲愴な顔をした女房殿が戻って来た。
ハナはビショビショの濡れ鼠(犬?)、女房殿取り乱した様子で曰く、
「お願いがあるのです。この住所まで連れて行ってください」と紙を示した。
住所は答案問題の解答を引き千切ったようなノート紙の端に書かれていた。
女房殿は興奮気味で、話が入り乱れて喋るので、先ずは落ち着かせる。
漸く聞き取れた話の概要は、土手からハナが川に落ちたということ、
女房殿はヒモを離すまいとしながら、大声で助けを呼んでいたところ、
中学生ぐらいの男の子が自転車で来て、川に入ってハナを救い出してくれたとか。
女房殿は助けられたびしょ濡れのハナを泣きながら抱きしめ、その少年に礼を云った。
そして、住所を教えてほしいと云うと、少年はこの紙に書いてくれたという話である。

「今からでは、暗くて住所の家を探すのは難しい、何で電話番号を聞かんかった」と私。
女房殿は「パニックになって、住所を聞くのがやっとのこと、電話は思いつかなかった」。
私はその書かれた住所と名前で電話番号を調べるようにと女房殿へ云い、PCを開く。
元電電公社に勤務していた女房殿は「104やな」と云って調べて来た。
その番号へ電話入れてみても留守電になっていると、女房殿は受話器を置いた。
PCで少年宅を確認した私は、「場所は分ったので明日の朝にしよう、今は忙しい」と云う。
作業を再開している私の横で、女房殿は座り込んで状況を話し出す。
何でもハナがウンチをしたので始末をしている最中に、ドボンと音がしてハナが消えたとか。
土手の下を見ると、川の中でハナが水から首だけ出していたので、咄嗟にヒモを掴んだとか。
私が、「ハナは視力が弱くなってるから暗いところや階段は気をつけんとアカン」と云うと、
女房殿は、「ホンマや、そこまで目が悪うなっていたとは思わなんだ」と云い、また涙ぐむ。

翌朝、少年が登校する前で運び込みの集合時間の間を計ってハナと共に少年宅を訪問。
母君に御礼を云って、住所を書いてくれた解答用紙と菓子を渡して戻る途中で女房殿の曰く、
「お母さんはやっぱり綺麗な人やな、あの子も出来る子やろ」。
私には女房殿の思考回路が分らないが、その少年が出来る子であるとは分かっていた。
少年が住所を書いた生物の回答書はほぼ満点であり、字は拙いが漢字もしっかり書いてあった。
持参した菓子は、茶会用の予備にと買うていたもので「南都七大寺」を表したもの。
七大寺とあるのに菓子は八枚あると以前のブログに書いたあの菓子である、一派に七大寺とは、
東大寺,西大寺,法隆寺,薬師寺,大安寺,元興寺,興福寺とされるが菓子は八寺、もう一寺は・・
<法隆寺は斑鳩に所在しているため、この法隆寺の代わりに唐招提寺を入れて南都七大寺とする場合もある。また、歴史的経緯(四大寺から数を増やしていったとする見地)からして西大寺の代わりに由緒ある川原寺(現在の弘福寺)を加える場合もある。>
その菓子には唐招提寺があった。
ハナを助けてくれた少年に、生物だけでなく日本史も好成績をという期待を込めた(^^)
因みに、「百碗百杓展」を開く今西家書院の場所は元興寺の境内跡地である。

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