2016.10.27 臨終無礼
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「百碗百杓展」の主催者山本哲さんの茶の師匠・故鈴鹿先生の手びねり茶碗。
先生が弟子であった瓦屋で焼いたものとか、薄く均一な厚みで付け高台。

昨日は後半の展示品の差し替え日であった。
山本さんの茶友が来られて、暫し彼等の師匠の想い出話を聞いていた。
前に彼等の師匠のことを聞き、是非にもお会いしたかったと思った御仁。
山本さんは後期展示茶碗の中に亡き師匠の茶碗を出す予定で持参していた。
その茶碗を取り出し、想い出話の中で茶友が語った話が私の腹に響いた。
茶友は、師匠の亡くなった日に偶々師匠の住む長屋に寄ったということだった。
玄関と六畳一間の長屋には師匠が臥せっており、横に看護婦が一人居たという。
茶友が部屋に入って十分位後に師匠は息を引き取ったということだった。
つまり彼は、師匠のただ一人の臨終立会人になったということである。
時に師匠の部屋に掛かっていた軸には、「臨終無礼」と書かれていたとか。
その茶友が弟子達に連絡を取り、弟子と近所の人達で師匠の葬式をしたとのこと。
ひょんなことから、彼等の師匠の十七回忌に私が献茶をすることになった。
その辺りのことは、三年前に「山紫陽花・侘び数寄茶人」と題し、ブログに書いた。
http://houan7010.blog.fc2.com/blog-entry-50.html

長屋の六畳部屋で一人臨終の床に臥せり、壁に「臨終無礼」との軸を掛ける。
この茶人の生き様死に様、私は唸るしかない。
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