「百碗百杓展」に屯して一週間、書院が重要文化財という意味合いが見えて来た。
建物は全体が上段の間・中段の間・下段の間と分かれて段差があり、其々に入口と出口が付く。
歴然とした身分制度を示す建築様式で、上段が高貴人、中段は下級武士、下段が駕籠かき人足。
上段の壁は「貼り壁」、中塗り壁に和紙を何枚も貼り重ねたもの、私は初めて知った壁である。
他に気付いた面白いものを写真に撮ったので掲載する。

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猫間(子持ち)障子、建具幅を横に片引きする様式になっている。
敷居一つに二枚の障子がL字型にはまっているもの、びっくりした。
向こうの敷居は普通の二本筋の両引きなので違いが分かる。
障子の桟は面取りがされていて、それを「猿ほほ」つまり猿の頬の角度とか。
私は飛騨高山の名物人形に「猿ボボ」というのがあるのを思い起した。
因みに、似た人形がこの奈良町界隈の家先にぶら下っており「身代わり猿」という。

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蔀戸(しとみど)、上下二枚に分けられた蔀戸で、半蔀(はんしとみ)といわれるもの。
上部は撥ね上げ、下部は濡れ縁に立て掛けている。
因みに、この濡れ縁は柿渋を施して手入れをしているとかで、肌触りが手にシックリくる。

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多羅葉(たらよう) 、多羅の木が書院のねき(脇)に植わっていた。さすが書院。
この裏面を傷つけるとその部分が黒くなり、文字を書くことができる。
子供の手習いにこの葉が使われ、手習いの木とか葉書きの木とか呼ばれた。
現代の葉書(はがき)の語源に なったもので、郵便局のシンボルツリーになっている。
郵政省では、緑化推進を目指してこのタラヨウを「郵便の木」に指定している。
因みに、この葉に宛名と文面を書いて切手を貼ると郵便として扱ってもらえるとか。
その多羅の木を書院のねきに植えているとは、ナカナカ小憎い。
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