2016.11.01 下足番の心得
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前に載せた露地草履、私が豆手拭いで鼻緒を修理したもの。

私のところへ月一度ぐらい滋賀県から車で通って来る医者の塾生がいる。
父親が奈良医大出身で、子供の頃は奈良・橿原で住んでいて奈良には郷愁があるという。
彼は週に一度早朝から比叡山に参り掃除や勤行、月一で山村御流の京都稽古場にも通う。
今回の茶会には最終日しか参加できないということながら、最終日は会場に一番乗り。
私は、稽古の遅れがある彼に「花番」を頼んで、茶席の花のことは全て任せた。
彼は持参した自分の花切りバサミを出し、手拭いを懐に花を入れ、席ごとに霧を吹いた。
茶会後の彼からのメールを読み、去来したのは来る春日茶会での井谷社中の役目「下足番」。
下足番の心得として通じるものがあるので、彼のメールを塾生諸氏に転送した。
その一部を掲載。

< 昨日は、お疲れ様でした。また、1日しか参加出来ず、本当に申し訳ありませんでした。計194名の方々に、茶を振舞われ、他の方々の疲労は元より、先生におかれては、四六時中亭主で入られ、さぞお疲れになった事とお察し申し上げます。あのような由緒ある書院での茶は、初めてですし、見るもの、聴くもの全てが新鮮であり、茶の魅力を新たに認識した次第です。又、上田宗箇流が、皆様には珍しいと捉えられたようであり、貴重な茶道を学ばせて頂いてる自分がとても幸せに感じ、心地よい疲れの中にも満足感をもって帰路につきながら、場面場面を思い起こした次第です。それに、やはり、皆様が凛とした姿で点前をされる姿を羨望の目で見ざるを得ませんでした。もっとも、月一の稽古も、諸々で伺えない自分だけに忸怩たる思いではありますが、止むを得ません。せめて花だけでも貢献出来たのは、幸いでしたが、自分ではまだまだだ、と思います。最後の一席で花を入れ替えたのは、哀愁が漂う日暮れに差し掛かり、色を無くして、秋の枯れもあるヤハズススキとエノコログサですと、茶室に寂を呼ぶのではないかという手前勝手の思いつきより、無理を申し上げてしまいました。所謂千秋楽の席を静かに、演出し、深まる秋の夕刻をわかるかわからないかのおもてなしで入れさせて頂きました。1人でも目に留めて頂けたなら幸いです。
春日大社も1日しかお手伝い出来ませんが、御指導の下、きちんと下足番を務めさせて頂けたら幸いです。取り急ぎ御礼まで。>

茶室に明りがないため、彼が入れた花の写真は写りが悪いので割愛する。
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