2017.08.02 贋物
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近くのスーパーで買うたもの、「北海道産・片栗粉、馬鈴薯でん粉100%」とある。

馬鈴薯でん粉100%と銘打ち、片栗粉と云い切るところが何となく面映ゆい。
ウィキペディアではこう書かれている。
>かつては文字通り、日本北東部の原野などに自生するユリ科のカタクリの根茎から製造した。江戸時代においては、播磨国,越前国など複数の産地で生産され、特に大和国の宇陀は名産となり幕府へ献上されるなど活発であった。
自生カタクリの減少、また明治以降、北海道開拓が進みジャガイモが大量栽培されるようになると、原料はジャガイモに切りかわっていったが、名称はそのまま残った。<

同じ様なものに奈良の「わらび餅」がある。
元々は東大寺の門前菓子であり、若草山で蕨(わらび)が多く採れたのを原料にしていた。
今の「わらび餅」と称されるものの原料はさつま芋のでん粉が殆どになっているらしい。
私の子供の頃の奈良公園では、冷やしたわらび餅と甘酒を自転車に積んで売っていた。
「わ~らび餅、わらび餅、よう冷えたわらび餅~」、売り声は奈良公演の風物詩だった。
今思うと、あのわらび餅はわらび粉だったのさつま芋でん粉だったのかハッキリしない。

北海道で思い起すのは「シシャモ・柳葉魚」、アイヌ語由来の魚である。
世界中でも北海道の太平洋沿岸の一部でしか獲れず、漁獲高の減少している。
そのため、キュウリウオや輸入品のカラフトシシャモ(カペリン)が「シシャモ」として流通。
今日では、単に「シシャモ」と言う場合こちらを指すことが一般的になっているようだ。

偽物云々ということではなく、出自を明白にして流通させるのであれば其れはそれで良し。
マーガリンのことがある。19世紀末に発明されナポレオン3世がバターの代用品とした。
明治中期に日本でもバターの代用として作られたので、長い間「人造バター」と呼ばれていた。
昭和27年に「マーガリン」と名称を使い、バターとは違った製品向上への努力が為された。
そしてバターとは違った長所が認められるようになり、一つの独立した食品として今日に至る。
今では、バターとマーガリンの棲み分けが為され、時にマーガリンの代用にバターが使われる。

思うに、人も物もまがい物・贋物としてだけで終わるのは寂しいことである。
本物の名称を僭称し、その代用品や模造品扱いされている間は自分の値打ちが出ないもの。
偽物は偽物として割り切り、違う本物への道を目指すなら、そこに自分の値打ちが見えるハズ。
とかなんとか、馬鈴薯でん粉の片栗粉を見ながらの繰り言である。

本物の片栗の花。早春の花で日本列島・朝鮮半島・樺太・千島に分布。花言葉は「謙虚」
Erythronium_japonicum_in_Mount_Sho.jpg
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