2014.04.22 掻き立鐶
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雲龍釜の釜蓋は釜と同じ材質の共蓋、摘(つまみ)は掻き立鐶(かきたてかん)である

摘は、唐銅・黄銅・南鐐(銀)製で、釜蓋に下敷の座と天座とともに、かしめて取り付ける
摘の意匠は、柑子(こうじ)、山梔子(くちなし)、梅、菊、箪瓢(たんぴょう)、繭(まゆ)
方喰(かたばみ)、切子(きりこ)、掻き立鐶(かきたてかん)など種々あるようだ
掻き立鐶は、釜・蓋と同じ鉄製の鐶つまみであり、摘みの元々の形、原形を留めたもの云われる

釜の蓋を取る時には、当流では男女共に帛紗(ふくさ)で掴む、熱が冷めて戻す時は素手で行う
千家さんでは男は素手で掴む、摘には熱を逃がすための透かしが施してあるとはいえ、熱い
何故だろうと思い、千家の古い茶人に聞いたことがある、その答えには成程と思った次第
昔の男の手の平は、鋤鍬(スキクワ)やノコギリや鎚(ツチ)或いは竹刀を振り、分厚いもの
それが証拠に、きさみ煙草の火を指先と手の平で扱ったとか、確かに爺さんも親父もそうだった

云われてみると、当流は女同様に男衆が帛紗を使うのは女々しい軟弱点前に思えて来た
何が武家、「もののふ」の茶かと、考えあぐんで、熊本の武家茶の重鎮にその辺りを尋ねてみた
その答え、武家の茶とは本来は殿・貴人に出す茶を基本にするが故、点前も丁寧なものになる
釜の蓋を取る時も、先ず帛紗で蓋を清めて、そのまま帛紗で摘みを持ち蓋を開けるのだとか
これまた納得した次第、当流でも献茶の時は同様のことをしているのは古式の形であろう
実際、織部流も遠州流も石州流も釜の蓋を開ける最初に帛紗で蓋を清めている
まま、武家・武人の茶が女々しいとは思わなくで済み、胸を撫で下ろしたのであった
どこでどう話が変わったのか、当流では蓋の摘みが熱いから帛紗を使用するような話

ここで、閑話休題、実は雲龍釜の掻き立鐶、この扱いが不慣れな者には少々面倒なのである
掻き立鐶は釜蓋の上に鐶付があり鐶が通されて、鐶の輪先が曲がって延び、蓋に降りている
そのことで、鐶自身には熱が伝わり難くなっているという寸法で工夫されている
掻き立鐶を取るには輪先の爪に親指を当て、人指指を鐶の輪に入れて掴み親指で押上げる
決して、鐶をぶら下げて持って、それで蓋を開けるということはしない
そして、蓋置の上に蓋を置いた後は、茶巾を乗せ易すいように掻き上鐶は向う側へ倒す
口で表現するには難しいが、要は帛紗を使うと少々小難しく、素手なら楽に出来る
由って清めないなら、今後我が朋庵では熱くない掻き立鐶の扱いを素手でも良しとしよう
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