2014.07.19 炎熱商人
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フィリピンの国花サンバギーダ、モクセイ科、原産地はインド、花言葉「永遠の愛」
日本では、茉莉花(マツリカ)、アラビアジャスミン(Arabian jasmine)と云われる
フィリピンの神話で、永遠の愛を誓った恋人の墓の白い花の葉が、風の中で立てている音
それがSumpa kita(恋人に永遠の愛を誓うという意味)と聞こえたことが、その名の由来とか

その神話の場所は、フィリッピンのマニラ郊外にあり、敵対した部族の姫と王子の墓の話である
マニラ郊外のモンテンルパの丘にあったニュービリビット刑務所、所謂「日本兵戦犯刑務所」
日本人には「あゝモンテンルパの夜は更けて」の歌で知られる感慨深い地
その地で戦犯として死刑判決を受けていた人物の作詞・作曲の歌であった
作詞の代田銀太郎は元フィリピン憲兵隊少尉、作曲の伊藤正康は元陸軍将校
「モンテンルパの歌」は、刑務所で収容されていた日本人111名の望郷の念を込めた曲である
昭和二七年、渡辺はま子の歌った「あゝモンテンルパの夜は更けて」は日本国民の哀愁を誘った

今日の新聞に作家「深田祐介氏」の訃報が伝えられていた、享年八十二歳
私は、氏の直木賞受賞作品「炎熱商人」を感慨を以って読了した覚えがある
物語は、先の大戦でのフィリッピンを舞台にした話であった
私は二十代の頃、ルソン・ミンダナオ島のフィリピン各地を回ったことがある
その臨場感もあって、私の涙腺が弛み、文字が見えなくなった記憶が二箇所あった

一つは「馬場少尉」という日本軍軍将校がフィリピン民兵に惨殺される箇所である
馬場少尉は、何かにつけてフィリピン人の民衆を庇い続けて来た日本軍将校であった
もう一箇所は、ジャングルの中を逃げ惑う日本人の子供姉弟が米軍戦車に嬲り殺される場面
餓え渇き恐怖の中で、米軍から逃れようとする小学生姉弟を戦車で追い回した挙句に
逃げ場を失い、抱き合って戦車の前に立ちすくむ姉弟に、笑いながら機関銃を浴びせる米軍

モンテンルパの刑務所では、死刑判決が受けた日本兵に対し、容赦ない拷問があったと聞く
被害者の顔、正義面をした加害者という存在には憤りを覚える、今の世でも・・

深田氏と同じ作家の堺屋太一氏、作曲家の小椋桂氏はサラリーマン兼業であった
一流の組織で、要職にも就き、それなりの仕事ぶりのサラリーマンであったと聞く
その彼等の作品には、私も頷かされるものがあった
堺屋氏は存命乍ら、深田氏や小椋氏の冥福を祈りたい

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