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昼間の烏瓜(カラスウリ)の花、原産地は日本・台湾・唐土、花言葉「善き便り・誠実」
夜になると五弁の花が開き、弁の先からクモの巣状に白い糸が延びる
藤圭子の歌・ ♪ 花は 夜 開く~、? 夢だったか

長闇堂記及家傳遺誡(ちょうあんどうきおよびかでんいかい)という古文書がある
奈良春日大社の禰宜・ 久保利世(くぼ としよ)の随筆で、寛永十七年(1640)の成立
久保利世(1571~1640)は茶人でもあり、通称か権太夫で長闇子と号した
この「長闇」、鴨長明に引っかけて、「明」でなく「闇」とかで小堀遠州が名付けたとか
小堀遠州は久保利世より八歳下、考えてみれば随分と失礼な話である

長闇堂記には、山上宗二に関する話など他書に見られぬ記載があることで有名
私としては、後世の利休神格化を本旨とする茶書でないのが、信頼できるところ
この書が、活字本として世に出て知られたのは意外に新しく、大正14年である
本書は当初、久保利世が茶友の手紙の裏に書き留めていた、いわば反古紙であった
茶友とは小堀遠州や松花堂昭乗、瀧本坊という著名人であったのが幸いする

久保利世死後百年余り経って、その書が意外な形で発見されることになった
書が一枚づつ剥がされ、茶人の消息文として奈良の古文書屋で売られていたのだ
それを愉々楽只(ゆゆさいらくし)という人が見つけ、買い集めたので散逸を免れた
以後、幾人かの手で写され、長闇堂記及家傳遺誡として世に伝わるところとなる
興福寺や奈良依水園に伝わるが、原典らしきものを薬師寺の橋本凝胤管長が所持した

茶道史家の永島福太郎氏が、橋本凝胤蔵本を精査覆刻したのが「茶道古典全集」に載る
この全集の発刊は昭和三十一年である、以後、長闇堂記は広く世に知られる茶書となる
因みに、永島福太郎氏はその二年前まで私の高校の教諭で、後に関西学院大学教授
長闇堂記の覆刻作業は、永島先生が私達の高校で手掛けられていたと思うと何やら感慨深い
永島先生は、その全集の中で古田織部と上田宗箇の問答書にも言及されていた

永島先生のお宅は私の生家の近くにあり、私が上田流の宗家をお連れしたこともあった
私の高校で「天動説」の講義をして頂いた橋本凝胤管長と永島福太郎先生という故人御二人
その縁を「カラスウリ」の勝手に偲ぶ私であるが、御二人の茶への造詣に感服するばかり
さて、ある趣味人企画の薬師寺イタリアン・ディナー茶会、どんなものだろう

ところで長闇堂記、「現代語でさらりと読む茶道古典」のシリーズで出版されている
帝塚山大学日本文化研究課程の講師・神津朝夫氏の著作で、読み易くお奨めである


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