2014.08.05 生き物の死
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萩(はぎ)と野萱草(のかんぞう)
朝茶事稽古の前日夕方に亭主役の塾生が秋篠川畔で摘んだもの
稽古当日は野萱草の花が萎れていたので、仕方なくつぼみ部分を厠に挿した
それが夕べ咲いていたので萩を入れた宗全籠に挿し替えた
なるほどに「夕菅・ゆうすげ」と納得

日中の暑さは厳しいが、萩が秋の訪れが近いことを告げる
野萱草は別名「夕菅・ゆうすげ、黄菅・きすげ」、万葉では「忘れ草・わすれぐさ」
「笹ユリ」と同じく日本列島原産のユリ科の植物である

昨日のこと、東京に住む女性茶人から電話をもらった
その女性茶人、鳥取県の出で季節になる鳥取のスイカやカニを送ってくれる
この前にもスイカをもらったばかりで、その礼状を出したところである
礼状の礼とはご丁寧にと思いつつ電話の話を聞くと違っていた、涙声である

彼女は私より少し年上で若くはない、骨の具合が悪くなりに二か月ほど入院していた
数日前に退院したのだが、飼っていた十六歳になる愛犬が衰弱していたという
そして一昨日、彼女の腕の中で息絶えたということを泣きながら話してくれた
彼女は私の「朋庵」へ二度ほど知人と来駕、私の茶を楽しんでもらったことがある
私の愛犬「ハナ」のことをよく覚えていてくれて、それで私に電話をしたとの由

彼女の愛犬は、彼女が入院して以来、物を食べなくなり体重は半分になっていたと云う
一人住まいの彼女の家に、知人やお弟子さんたちが犬の世話をしてくれていたらしい
何も食べず水分を飲むだけなので、水っぽい流動食を与えたら少し舐めたという話だそうな
彼女が心配するといけないというので、そのことを彼女は知らせていなかったという

彼女が家に戻った時には、愛犬は嬉しそうな表情ではあったが、もう起きて歩けなかったらしい
愛犬の目から「何処へ行っていたの、何で置いて行ったの」という思いが伝わって来たとか
それから三日間を添い寝をして、やがて愛犬は彼女の腕の中で息絶えたということだった
愛犬は日本犬の雑種だったというので、私が日本犬にはそういう話を聞くと伝えるとまた泣く

私の体験談を彼女に話す、十九歳の飼い猫が死ぬ時、私の膝で四・五日寝ていて、その最期
もう動けないはずの猫が起き上がり、外に出ていこうとしたので私は戸を開けてやった
覚束ない足取りで、家の裏山に行こうとして歩き出し、そして茂みに入って行くその時
猫は此方を振り返り、私を見た、そしてまた歩き出しそのまま茂みの中に消えて行った
その話を彼女にすると、嗚咽が強くなり声にならずにいた、私も電話を切らずのいた

昨日、その日の夕方は新塾生達の盆点前稽古であった
六尺ふんどしが又一人増えた、まことに「マタ・マタ」である
稽古を始めると、其々各自に得意下手が出て来た様子であった



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