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2014.10.20
前礼後礼
昨日の日曜日で、近くの田圃はすっかり刈り入れが終わったようだ
奈良の米は「ヒノヒカリ」という晩作型の品種で、なかなか美味い
日曜農家であった同級生も定年・嘱託を経て、今では純朴な農夫然
その同級生から電話が入った、「刈り入れ終わったさかい、来週持ってわ」
毎年のことであり、去年からは娘夫婦分まで一年の米を届けてくれている
然し、何度押し問答をしても代金は受け取ってくれない、私は礼を述べるだけ
その気兼ねの所為か、その同級生にどうにも碁が勝てないでいる・・言い訳か
昨日の稽古では、茶事の前礼と後礼の話をした、
茶事の案内があれば、自ら出向いて礼を述べ、行く行かないをを伝えるのが昔の礼儀
これは、案内が先方自らお越しの案内なれば、今でもそうするのが礼儀ということ
書簡での案内なれば、こちらも書簡の答礼でも良しとされる
茶事当日の土産は、人の好みのある物や飾り・器の類は避け、茶巾等の消耗品が良い
当世、御礼として金子の「お包み」を持参する人が多い、その場限りということであろう
然し、茶人は古来「茶事には茶事で返す」というのが本道とされていたようだ
「これはこれでお仕舞い」という意もある「お包み」に、私は賛成し難いところ
御礼も同じく自ら赴くのが良い、書簡でも許されるが「略儀にて」の言葉は入用となる
この後礼、目上の者からはしないとされたが、当節ではする目上も多くなったようだ
ただ、目上の者であっても、前礼を欠かすことはあってはならないことである
同輩や目下の者にあっては御礼は必須、帰宅し帯を解く前に書くものとされている
私が頂いていた、当流・他流の方々の書簡を参考までに「チラリ」とだけ見せる
多くは巻紙に筆書きで、塾生一同はその筆致には少々唸るところと相成り候
前礼には、「何月何日何時に必ず」という文言が入っていること
そして、場合によっては「誰と誰・何人で」という伝言も加えらてられていること
それは相手の準備への気遣いである
この辺り、茶人云々だけでなく、大人の社会人としても心得あるべしところ
他家や他者を訪問する際、訪問した後の分別・礼儀は、その人の人生が出る
と、私自身に対しても訓をタレタ
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