2014.12.01 キズナ
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蒲公英(たんぽぽ)の向うで、仏の座(ほとけのざ)が小さい花を付けている

十年ぶりぐらいになる吉野の小学校の同窓会へ参加、好い時間を持てた
今は廃校となったが、また存在すれば校歴が九十年近い小学校であった
前の同窓会は、残されていた校舎が無くなるという時に学校へ集まった
皆で学校跡を訪れ、校舎や運動場、樹木に懐かしく接した後、会食をした
一年生の夏から三年生の夏までしか居なかった私は、何となく会話の外であった

今回は会場に入ると、「やぁ、井谷君」と何人から声が掛かり、会話が弾んだ
二学級七十名で、死亡確認者十二名、今回出席は二八名、男女ほぼ半々
今回の同窓会で思ったのは、同窓会には二つの種類があるということだ
昔の話に興じるというか、今のことや卒業後の話が少ない同窓会、そして
「今何している、その後どうした」という、今の立ち位置に興味を示す同窓会

前者には小・中学校の同窓会、後者には高校・大学の同窓会が多いように思う
恐らく前者は、地域や家族・親戚まで一緒になった村社会の話になり、
後者は、個人関係の人生譚というか、立身が話題の共有軸となるためであろう
どちらがどうだと云うことでは無いが、私は小・中学校の同窓会に気の和みを覚える
今回、隣に座った女の子(?)から、ホッとする話を聞いた

彼女は、新聞切り抜きを大事そうに取り出し私に見せた、それは投稿記事であった
投稿主は、同じ小学校の先輩同窓生の女性であった、話は小学校の同窓会からだ
当時の小学校は弁当持参であったが、昼食時になると何人かは消えた、私も記憶する
弁当を持って来ていないというか、持たされていないのである、家が貧しいためだ
臨席の彼女の家も貧しかったが、女の子だから親が弁当を持たしてくれたと云う
しかし、彼女の従兄は弁当が無く、昼食時間になると運動場で水を飲んでいた

その従兄は、遠足の時にも弁当を持たずに行ったが、昼食の時のこと
一人の女の子が、自分が持って来たゆで玉子一個をそっと彼に渡したという
当時の玉子は、バナナと共に高級品で、普通では食べられなかったものだ
それから幾星霜というか何十年して、その従兄の学級でも同窓会が行われた

初めて出席した彼女の従兄は、その話を皆に披露し、ゆで卵のことに感謝の意を伝えた
そして、同級生全員を彼の経営する北海道の牧場へ招待をしたということである
彼はどういう人生を歩んだか知らないが、北海道で大きな牧場の経営者になっていた
その新聞切り抜きの投稿記事、投稿者は彼にゆで卵を渡した女の子、その人であった

その切り抜き記事を私に見せた彼女は、記事を仕舞った後、私にポツンと云った
「キヅナという馬、知ってはる?、あの馬、従弟の牧場の馬やねん」
私もボソッと言った、「うん、聞いたことある、・・・よかったな」
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