無題
茶庭の露地にある「雪隠・せっちん」、つまり便所・厠・東司・御不浄・はばかり、トイレ
外露地のものは「下腹雪隠・したばらせっちん」と云われ、実際の用の使われた
内路地のものは「砂雪隠・すなせっちん」と云われ、飾りとして観るだけとされた
将棋で云う「雪隠詰め」とは逃げ場を失う状況、まま、フンヅマリとは云わない

臭い話になるが、中世の欧州の家では便所がなかったということである
糞尿の用足しは桶(オマル)であった、その糞尿桶が溜まると外に捨てるだけ
一階二階もなく糞尿を窓から路上に投げ捨てたのである、いやはや
そのため、街路は何時も糞尿にまみれ、臭気芬々たる有り様であったらしい
フランスの貴婦人が糞尿を避けるために考えたのが「ハイヒール」であった
つまり、裾を引きずらぬように高く、糞を踏みつける踵部分を小さくということ

常時四千人が居たと云われるベルサイユ宮殿にも独立した便所は無かった
便器桶が二百余り有っただけだという、それで皆は部屋・廊下・庭のそこかしこで
あの落下傘形のスカート、女性が用を足す際にソレを隠すのに考えられたもの
婦人がハイヒールを履き、落下傘スカートで庭の花いじりをする姿は、用足し姿
まして、顔を洗っても体を洗う習慣が無かったという文化、真に臭い話の世界

桃山時代に日本に来た宣教師が驚いたのは、便所の文化であった
江戸時代の京・大坂・江戸という日本の大都会は糞尿処理が円滑に為されていた
云わば、有機物リサイクルとして、周りの農村へ有料で渡していたのである
代金もソコソコとかで、借家の糞尿は大家の取り分とされていたという
こんな一句が残っている

店中の尻で大家は餅をつき・・・(店中・たなじゅう=借家人)

現在の日本でも、外人が驚くものの一つに「お尻洗浄便器」がある
桃山時代の茶の湯に、「雪隠」の飾りがあったこと、正に日本文化の粋である
頭隠して尻隠さずの人には、努々(ゆめゆめ)投票しないこと

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