2014.12.13 逓信省
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逓信省時代の郵便局の看板、こっちと指示するあたり、「お上」らしい

この「🏣」のこと、調べてみると云い方の区分があった
日本工業規格(JIS)において、「〒」は「郵便記号」(ゆうびんきごう)と呼称
「郵便マーク」は「〠」(顔郵便マーク)を指すとある、私は知らなかった

郵便が戻って来た、十円不足の貼り紙が付いていた
実は、書類送付の依頼人から八二円切手を貼った返信用の封筒を使ったのだ
「十円切手」なるものが家に無く、ついでもあったので近くの郵便局まで出掛けた
私が紙二枚の文を付けたのが重量オーバーしたようだった、五グラムほど・・
不足分十円の徴収に掛ける手間暇はと云い掛けたが止めた、ここは「お上」
そこは元特定郵便局、今は女ばかりの局で親しみもあったが、その日は違った

巡回員という御婦人が来駕されていたのだ、逓信省時代に入省されたような御方
表情は氷顔で、メガネの中の一重瞼から鋭い視線が周りに向けられている
他の局員はその御婦人と目を合わせないようにしているのが、私には感じ取れた
「十円の回収に何百円も掛けるとは、お役人感覚やな」と私は聞える独り言を呟く
不足分の切手を貼って手渡すと、その後婦人が私に向かって訓戒をタレなされた

曰く「封筒の形が歪んでいます、このままでは定形外の料金になります」
えっと思い封筒を見ると、テープで張ったため、二ミリほど筒の先が出て折れていたのだ
他の局員は押し黙っていた、復曰く「今回は認めますが、次から気を付けて下さい」
私は「ちょっとお待ち、今回は認める云々とは聞き捨てならん、そんな裁量とは何か」
と、突っ込みを入れようと思ったが、他の局員たちが申し訳なさそうにしている止めた

私は「相分かった、ところで逓信省が郵政省と電信電話省に分れた時のこと覚えてはる?」
その巡回員、「私は知りません」とメガネの中の一重瞳がキラリと私に向けられた
私は「律儀は律儀で通せば立派、自分の裁量で左右させるは以っての他」、とは云わず
「またな」と、皆の顔を見て静かに局を出た、巡回員の顔に笑みが無かった

私の頭には、終戦後の樺太・真岡郵便局で起きた悲劇が思い起こされた
ソ連軍に囲まれた郵便局で、律儀に、健気に、通信業務に殉じ、自決した乙女たちの話だ
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