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伊賀山中で見付けた丘虎の尾、花言葉は「忠実」
注意事項は「踏まぬこと」(^^)


昨日の続きとなるが、私が知る陣中茶箱で陣中点前をなさったお二人
一人は千玄室さん、今は裏千家の大宗匠と呼ばれている御仁である
陣中点前を考案された裏千家十四代家元淡々斎のご子息である
私は、献茶でその点前を拝見したが、武骨さを感じた覚えがあった

 三年前に、NHKテレビの100年インタビューの再放映番組を見た
語り手は千玄室さんであった、特攻隊時代の話の中で写真が映された
飛行服姿の五人程が飛行機を前にして円座となり、茶を点てていた
陣中茶箱で陣中点前をする千玄室さん、千宗興海軍少尉の姿であった
テレビを見乍ら、私は以前に見た雑誌の対談記事のことを思い出した
対談者は、千玄室さんと昨年亡くなった京大名誉教授故上山春平氏
二人は共に海軍予備学生、学徒出陣をして特攻隊に配属された
玄室さんは飛行科で神風特攻隊、上山氏は兵科で回天特攻隊
回天特攻隊とは世にいう人間魚雷の特攻部隊である

 私の父親も海軍予備学生で、回天特攻隊で上山氏と同期だった
テレビで語る、玄室さんの特攻隊員として生き残った思いを聞いて
父の話を思い出し、特攻隊当時の父親の写真を出して眺めた
制服姿で凛々しく並んだ写真や仲間同士でくつろぐ写真、はたまた
恰好を付けた写真、それは皆、二十歳を過ぎたばかりの若者たち
青春を生きていた姿そのものであった
私がつい落涙したのは、出撃する四人の仲間を写した一葉である
日の丸を頭に巻き屈託のない、本当に屈託のない笑顔があった
中の一人は、飼っていたウサギを抱いて写っていた

 私は写真と父から聞いた話を書き添え、千玄室さんに送った
玄室さんの話は、父の話と重なり、感銘した旨を伝えた
千家さんの茶は、武家茶道とは違うと思っていたと正直に述べた上で
以前に見た玄室さんの点前が、武骨であることを怪訝に感じたが、
氷解しと書き記した

 玄室さんからしてみれば、若輩者からの無礼な文言である
返事は望むべくもないものとしておったが、僅か十日も経ずに、
千玄室さんから返事が来た
中身は手紙と写真の礼、当時まだご存命であった上山春平さんとの
対談の思い出話として
「海軍時代のことを、海と空に分かれた戦いは、本当にすざましいものであった。」
と、話し合ったことを綴られていた

 続いて、「お父様はそのことをよく存じていらっしゃり、私もそれを経験した、だからこそ今こうして、一盌の茶をもって平和を願っております」と記されていた、そして末章に
「どうぞ、お父様のご霊前に暖かい一服をお供えして、私の心をお伝え下さい,別便にて、御品をお送りいたします、お茶と一緒にお供え下さい」と、あった

 明くる日に、裏千家秘書室から裏千家特別仕様の菓子包みが届いた
私は茶を点て、その菓子と共に仏壇の父に供えた
そして、父の特攻隊時代の仲間たちの写真も全て出して並べた、
仏壇の父の写真は、父の遺言で海軍時代の軍服姿のものである
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