2015.05.19 褒め殺し
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担い茶屋を前に、精神統一を図る卒塾者の肩、本番前の朝である

後ろの荷い箱に、前の板が二枚に別れ、二枚其々蝶番があり箱に切妻屋根状に被さる
銅製の風炉釜は小ぶりで玩具の様な感じで、釜・水差も蓋口が小さく、点前がし辛い
置かれた茶器と茶杓は、根来塗りの金輪寺茶器と上田家二代備前守重政の二重曲
根来塗りは紀州和歌山の産で金輪寺は後醍醐天皇が吉野で作らせた茶器ということ
広島に入る前の浅野家は和歌山を治め、宗箇は家老、金輪寺は吉野の茶会を連想
二代重政の茶二重曲茶杓の銘は「おもかげ」、まま、吉野茶会を偲ぶという話である

さて、点前本番中のことである、黙って坐っておられた御正客の華道家元から一言
「上田流の点前は男らしくて美しい、惚れぼれします」、五十人を超える視線が集まる
後ろで控える私の目には、点前をする卒塾者の肩に心なし微妙な動きが見えた・・
後で聞くと、その褒め言葉に、湯を汲むところで柄杓が水差へ向い水を汲んだとか
続いて、右手で茶器を取るところで左手が出てしまったとか、まま、動揺を来した由
点前とは不思議なもので、リズムが狂うと次の手もおかしく為りがちである

点前をする卒塾者からすれば、正に「褒め殺し」であった
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