2015.06.11 同穴エビ
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偕老同穴(かいろうどうけつ)、英語名はVenus' Flower Basket(ビーナスの花かご)
海綿の仲間で、ガラス質の骨格(骨片)を持ち、ガラス海綿とも呼ばれる
外見の美しさから観賞用になっている、日本では相模湾や駿河湾などで見られる

この海綿の中には一対の夫婦エビ、つまり同穴エビが棲んでいる、曰く「片利共生」
「片利共生」とは、共生するどちらか一方だけが「利」を得ているという関係をいう
だが私にはそうは思えない、害を与えていないのなら、どこかで「相利共生」のハズ
相手に害を与えていれば「片害共生」に区分されるが、それでは「共生」にならない
曰く「寄生」や「便乗」の形態として区分すべきと思われるが、まま、学者はんの話

然し乍らである、共生関係とは人間の世界でも十分に通じる話だと私は思う
生き様・死に様に於いて、「共生」の関係にあった人達は想い出に懐かしく残る
比べて、「寄生・便乗」の関係は、した方もされた方も嫌な思い出になろう
まま、「寄生・便乗」をしてやったりと、ほくそ笑む輩とは語る気もしないが・・

さて、偕老洞穴に棲む同穴エビ、名前のいわれはエビの方が先である
古典・詩経に遡る話で、「生きては共に老い、死しては同じ穴に葬られる」という
夫婦の契りの堅い様を意味する語として、洞穴エビのつがいを評して用いられ
後に、偕老を併せ海綿自体のカイロウドウケツの名前になったと言われている
結納では、鮑のし・烏賊するめ・麻糸ともしらが、それに偕老洞穴が贈られたもの

同穴エビは幼虫の時に海綿のガラス繊維の隙間から中に入り、雄雌に成長する
成長すると海綿の繊維から出られなくなり、雄雌そこで共に生涯を送る
世間とは関係なく、育った家は終の棲家であり、夫婦ふたりで生き、死んで逝く
海綿の食べ残しや、網の隙間から入って来るプランクトンなんかを食して生活
自分達の大きな運命は海綿に全て委ね、その網の中には天敵や競合者も来ない
夫婦の間に生まれた子供は、幼虫となって網の隙間から出て行き、他所へ移る

云わば、自分の生き様と夫婦間の遣り取りだけの一生で、相方と死に場も同じ
私は、この同穴エビの生き様に、ある種の教えを受けたようで羨ましくもある
先の記事、江戸下向で見舞った叔母の人生を考えると、そんな思いを馳せた次第
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