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秋ナスビ、雨上がりの散歩で目にした、濡れていて瑞々(みずみず)しい

「秋なすび わささの粕につきまぜて よめにはくれじ 棚に置くとも」
鎌倉時代の「夫木和歌抄」の一首が「秋なすび嫁に食わすな」の元だとか
美味しい秋なすびは憎たらしい嫁には食べさせない、とか
秋なすびは体を冷やすので大事な嫁のは食わさない、とか
秋なすびは種が無いので嫁に食わすと子種が出来なくなる、とか聞いていた
実は違った、「わささ」は「若酒」と書き「新酒」、「よめ」は「夜目」と書き「鼠・ねずみ」
新種の酒粕に秋なすびを漬けると美味だが、棚に置くと鼠に食われるから気を付けろ
昨日のNHKテレビで得た話で私には初耳であった、NHKもタマには良い話をする

さて振り茶に使う番茶、どうも元々は完全発酵させたものを使っていたフシがある
大陸の団茶は、完全に成長した茶の葉から作られたものほど価値は高いとされた
自然の恵みを充分に吸収しているということで、幼芽を貴重とする日本茶と違う
日本でも、緑茶の摘み頃から一か月遅れの葉を完全発酵させる製法の茶がある
福井の「黒茶」、四国の「碁石茶」「阿波番茶」というものだが、今では少なくなった

元々の振り茶とは、この黒茶類の番茶を使ったものであったろうと考えられる
茶の葉を摘んで放置しておくと自然発酵するので、黒茶は古い段階の製茶法である
振り茶の風習があったのは、沖縄・鹿児島から日本海の島根・福井・富山・新潟・青森
他に愛媛・愛知・埼玉・栃木で、遠い昔は日本各地に伝わる民俗・風習であったようだ
振り茶経験者が今も居るのは愛媛の松山市、島根の松江市、富山の朝日町である
抹茶を使った振り茶が奈良・橿原市の中曾司の茶であるとされていた

それが、奈良の古い町衆の流れを汲む塾生の家に伝わる「番茶のキリコ入り振り茶」
聞いて、中曾司のキリコ(切子・あられ)を入れる茶の原型が見えて来た思いがした
中曾司では今は抹茶を買うて使っているが、中曾司の茶道具から察するに元は粉番茶
昔自分は自家の手作り茶葉を蒸して小さく刻み、焙じて石臼で挽いたようである
黒茶と違い、発酵させないが番茶そのもので、今の抹茶の原型であったと云える
塾生の家伝「番茶を泡立ててキリコを入れて飲んでいた」とは貴重な民俗学的遺産
成る程に栄西が宋から持ち帰った云々の戯言、奈良の人達に相手にされてないハズ

中曾司では「茶を入れる」とは云わず、「茶を立てる」と云う言葉を使っていたと云う
今、茶の湯の世界で云う「茶を点てる」「点前」の原語であろうと思われる
「茶を点てる」とは「泡立てる」から来たもので、「虹が立つ」「夕立ち」と同源と聞く
神が現われる、お出ましになるという「出現」の意味合いを含んでいるとか云々である
神々しい現象であり、ある種の神事だということ、この話に寒毛卓竪(かんもうたくじゅ)
茶の湯が持つ凛とした空気、空間、所作、振舞いの原点は神事に在ったかと頷かされた

因みに、当上田宗箇流の古文書では「茶立て」とある
続く・・


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