2015092706090000.jpg

九月二十七日は中秋の栗名月、朝方は曇り空で芒が虚ろに揺れていた

2015092720160000.jpg

夜になると、名月が三笠の山からクッキリと現われ、やがて薄雲が棚引いた
珠光の云う「月も雲間のなきは嫌にて候」、なるほどの名月の夜空となる

今日は西大寺で表千家の釜が掛かった、西大寺は奈良の表千家の本拠地
亭主は私の知己というか、色々「茶」を語り意見を述べ合い、教えを頂いた御仁
西大寺は私の孫娘が通う幼稚園があって、最近では身近な存在となっている
二十年以上前になるが、上田流でも釜を掛けたことがあった懐かしい場所でもある
そんなこんなで西大寺の裏手にある娘の家へ行き、孫の顔を見てから会場に向かう
八時半に会場に着いたが客の人影が無い、うん?入り口から中に声を掛けてみた
やはり、私のボケが進んでいる、十時の初席を私は九時と思い込んでいたのだった

さすがの御亭主、七人程の人がみえた九時半頃に、「どうぞお通りを」と案内があった
席入りすると、話の流れから私が正客と云うことになって着席、竹台子の中置であった
上田流の台子や長板は、炉でも風炉でも幅が二尺八寸で変わらない
千家では風炉の時は二尺四寸程の幅になり、台子の勝手側の畳上に筒水指を置いた
二尺八寸の幅では水指を外に置くことが出来ないので、私には初めて見る形であった

御亭主は、私が聞かない限り道具の話はされなかった、これは意外であった
これまで千家の茶会に寄せてもらって、道具を語らないことはなかった
というより、道具の話ばかりというのが通例のようだと私には思えていた
寄付待合にあった会記には、見事な字で趣向を凝らした道具組が記されていた
御亭主が話されたのは菓子のことだけ、「今日は中秋の名月、兎を象りました」
早く来た私を慮り、定刻の半時間も前に席入りをさせること、それが出来る準備ぶり
席中での亭主ぶりも然ることながら、不意の事態に合す余裕の技量には納得であった

会記
寄付掛物  即中斎宗匠筆短冊 菊花令人寿
        小兵衛作 瓢形垂撥ニ
本席掛物  即中斎宗匠自画讃 秋草に月の字
花 入   惺斎好千鳥籠 尋牛斎宗匠箱 宗伝作
花    季のもの
香 合   菊置上蛤 即中斎宗匠箱 小兵衛作
即中斎・而妙斎合筆 清芳文字乱菊絵服紗シキテ
唐銅鳳凰風炉 富士釜 春斎作
而妙斎好ツボツボ腰風炉先屏風 在判同箱 吉兵衛作
竹台子
水 指   膳所焼 ロハク写 而妙斎宗員宗匠箱
茶 器   閑楽庵庭園古木ヲ以作之七個其一 碌々斎宗匠箱 宗哲作
 替    菊大棗 兼中斎宗匠箱 清鳳作 
茶 碗   高麗堀の手 三室山 小堀宗慶宗匠箱
       「神なびの 御室の山の 葛かづら うら吹きかえす 秋は来にけり」
 替    焼貫片口 惺斎宗匠箱 弘入作
 替    武蔵野平 而妙斎宗匠箱 即全作
茶 杓   長崎鼈甲 惺斎宗匠筒同箱
 建水   棒の先独楽繋彫 而妙斎宗匠箱 浄心作
 蓋置   武蔵野 即中斎宗匠箱 即全作
菓子器   太閤窯 即中斎宗匠在判
 菓子       樫舎製
干菓子器  コマ盆 而妙斎宗員宗匠箱 近左作
 干菓子        樫舎製
 茶        堀井七茗園詰 
煙草盆   松ノ木白竹手  惺斎宗匠箱 利斎作
 火入   染付 妙全作
 煙管   惺斎好亀甲 浄益作

この道具組
私には少々過ぎるというか「これでもか」と思わせるキライはある
然し、ご流儀としての形をキッチリと組まれているのはご立派








スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://houan7010.blog.fc2.com/tb.php/794-db10e1c7