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藤袴(フジバカマ)、秋の七草と7云われる一つ、花言葉は「躊躇」

 袴は弥生時代からの日本人の衣装で、埴輪にもそれを象ったものが多くある
呉服といわれる今の着物の歴史より古い、日本独自の衣装である
袴は、大きくは三つの形に分けられているようだ
一つは、中仕切りのある馬乗り袴、古来からの形で正装の袴とされる
二つは、中仕切りのない行燈袴、ラッパ袴と呼ばれることもある
三つ目は、軽杉(かるさん)、野袴といわれるもので、足首を細くした袴である(水戸黄門の袴)

平安時代までは男女共に装いされたもので、雛人形は男女とも袴姿である、
鎌倉以降は、女子の袴は宮中の女官が着用するぐらいで、女装の袴は廃れていった
明治期の洋風化で、寺小屋の畳に正座の形から、机と椅子の学校風景に変わると問題が出た
女子の先生や女生徒の着物の裾が乱れることである(当時の女子は下着を付ける観衆はなかった)
華族女学校、後の学習院女子部で海老色の袴が制定され、以後に女子袴として全国に普及した
今も女性が卒業式で袴をつけるのは其の流れのものである

 男性の正装は今以って紋付き袴と云われているように、日本男性の第一正装ではある
然し今や、洋装の流れに押され、新郎の礼装か、成人式のやんちゃくれの装いとなっているようだ
日本人といえども一般男性で、袴を着用するのは生涯に一度か二度、精々三度ぐらいであろう
今や袴を手にする日本男性は、大相撲や武道、古典芸能に接する人々ぐらいになったようである
他に男性袴を日常に扱う人は、結婚式場の衣装係りの女性スタッフ程度だろう
呉服屋の店員といえども、袴の着付けや畳み方が満足に出来ない例を私は多見している
前にも話したが、七〇前の知人の医者、その故郷である伊予山間の豪族屋敷で茶会をした時のこと
彼に着物と袴を着付けると、感極まったのか、彼は天に向け「ワシは日本人じゃ」と大声を出した
確かに、日本男性は着物に袴を着けると、日本人であることに気付き、感無量となるようだ

 さてさて、閑話休題
昨日に稽古での出来事、書かずに願いたいとご本人から云われたが、書く
その御仁、学生時代は能楽という古典芸能の部活をされていた由
長らく着物とは縁が離れておられたが、ここの茶を始められて記憶を取り戻されつつあった
昨日も、稽古前に別室で着物に馬乗り袴を着け、部屋に入って来られて畳に坐られた
誰の目にも、何の違和感もないキチッとした姿であった

 坐ったままで、先の人に稽古を見稽古され、出された茶を取りに出ようと、立ち上がった刹那
「ビリッ」と小さな音が座敷の中に聞こえたのであった
皆は、袴を踏んだのであろうかと、心配げにその御仁の下半身に目が行った
・・・、皆は目が硬直、口はアングリ、やがて破顔一笑から大笑いへ
なんと、その御仁、馬乗り袴の一方に両足を入れておられたのである

その御仁、後で曰く「学生時代は後輩に対し、こんなアホみたいなことはするなよ」と云っていたとの由
そして、私を見て、「ブログに書くのですか?嫌やな・・」
私は「躊躇」せず、書くことにした


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