2016.05.18 箱書文化
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金沢の茶友から頂いた「生落雁」と箱の中にある能書・添付文、ナカナカの美味である

菓子の添付文と似たものに、茶の世界には「箱書」というものがある
道具を納める箱に、その道具の由緒や出自を記したり、「銘」を入れたりしたもの
書き手は一角の御仁であり、多くは「茶道の家元」が書き手となっているのが相場
茶席に箱書を出し、客が有難がって「拝見」し、頭を下げるという茶道風習である
当流・上田宗箇流では、箱書を出したり見せたりするという風習は元々なかった
と云うか、茶室では道具話を控えめにする雰囲気があり、亭主は聞かれた道具のみ応えたもの
十数年前から京都の地で当流も茶席を持つようになったが、箱書を見たいという要望を受けた
そこで当代宗家は一箇所に箱書を並べ置くようにした、他流客のニーズに応えたのだ(^^)

私には、大枚の金が箱書の裏で流れるという業界の「箱書裏文化」というものが理解不能
不必要に箱書を重宝がらせることで成り立つ商売に他ならない、と私は思うがどうであろう
箱書を商売のネタにして蠢く輩には近付きたくはないというか、茶とは違う別の世界と見る
ところが、茶とは違う世界であるものが、実際は茶の世界そのものになっているとは、これ如何
私は上田宗箇流に入門して四十数年になるが、自流宗家の箱書は一個も持っていない
勿論、先代や当代自筆の銘入り道具は持っているが、それは箱書とは別の話である
臭気紛々の箱書文化に対し、その最中にある千流の人の書き込みを見たので転載
・・そこはかとなく哀れを誘う

>家元に納める箱書料は裏千家の場合、茶わんが4万円、抹茶を入れる棗(なつめ)で5万円。ゆかりの銘を頼めば1万円増しと決まっている。大流派の家元には全国から連日のように茶道具が持ち込まれるため、箱書料は許状料に次ぐ収入源ともいわれている。 だが、いったん道具商の手を経ると、箱書の価値はさらに高まる。地方に行けば、稀少価値も手伝って値段もつり上がる。 「20万円の茶わんでも箱書がつけば倍の値段で売れる。高麗茶わんのような骨とう品だと数万円が5倍、10倍にはね上がる のは珍しくない」と京都市内の道具商は打ち明ける。 箱書の威光を利用した偽物も多く、裏千家では折りにふれ会報で「ニセモノに注意を」と呼び掛けているほどだ。 箱書を申請してから出来上がるまで2、3カ月から半年余り。一方で、2年近く待たされたり、「このままお使いください」 と断られる場合もある。急な入り用などで無理を聞いてもらえるかどうかは、店の評判に響くだけに業者にとっては重大な関心事だ。それだけに普段から家元との密接な付き合いは欠かせない。家元や高弟が催す茶会や献茶式では、何人もの出入り業者が道具運び や掃除、受け付けの手伝いに汗を流す。 「家元に世話になっている立場上、ご奉仕は当然。ただ、店の繁忙期には勘弁してほしいと思うことも」とある老舗(しにせ) 業者は話す。 これほど箱書が重視されるのは、茶会での道具の比率が高く、茶器の由来や銘にまつわる逸話などの鑑賞も重要な要素とされるからだ。しかし、出された箱書の顔触れで茶会の評価が決まるような風潮もあり、「経済的負担が重すぎて、茶会を開くのが嫌になった人も多い」 (ある茶道教授)との声も聞こえる。利休が説いた「わび茶」の精神と、根強い箱書志向が生むぜい沢な茶の湯。二つの矛盾する茶の湯の姿は、解決できないジレンマにも見える。 <
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