2016.05.28 今西家書院
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奈良福智院町、通称「奈良町」にある「今西家書院」の入口(上)と書院の縁側(下)

清酒「春鹿」の今西清兵衛商店が大正期に取得した書院造りの屋敷である
私の知人・有楽流の茶人の南都塗師が、十月の正倉院展期間に此処で展示会を開く
「百本茶杓と茶碗の展示会」なるもので、自分の本職の塗り物の作品は出さないらしい
彼は、銘木や竹材で作った茶杓と若い頃から集めた茶碗を展示し披露するとかである
奥さんは「折角やから、自分の漆芸作品も出したらええのに・・」と、こぼしてなさると聞く
彼は高校の後輩で美術部に所属、大学では哲学を専攻し、「考え過ぎた人」になったようだ
彼から、私に展示会で添え釜を懸けてくれという依頼があり、昨日二人で現地訪問した
やはりというか、案の定、炭火の使用は遠慮願いたいということであった
この書院屋敷は戦前は国宝であり、今は重要文化財であるとか、説明文を掲載

>今西家書院は永く興福寺大乗院家の坊官を努められた福智院氏の居宅を大正13(1924)年、今西家が譲り受けました。一説には大乗院の御殿を賜り移築したとも伝えられています。昭和12(1937)年8月25日、国宝保存法により、京都の二条陣屋、大阪の吉村邸と共に民間所有の建造物として初めて国宝の指定を受けました。
その後文化財保護法の施行に伴い、昭和25(1950)年、重要文化財となりました。室町時代における初期の書院造りの遺構です。<

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茶室の外側にある手水、立ち蹲踞(つくばい)で中程に彫り込まれた文様がある

今西家当主の奥方に、何故に立ち蹲踞なのかを訊ねた
奥方は、「そうなんです、以前から不思議に思っていました」と困惑気の表情に
昨今では、何処も千流の茶が羽振りを利かしているため、手水鉢は「蹲踞」が一般的
つくばって水を使うという「へりくだり心」から「蹲踞・つくばい」と云うとか何とかである
武家の茶は腰に大小を差したままで手水を使うので、つくばっては刀が邪魔になる
立ったまま使える蹲踞、まま、「立ち蹲踞」というヘンテコな名が付いたと云う話

奈良の地は元々武家茶が多い地である話をすると、奥方は興味津々という表情に
室町期の興福寺大乗院門跡所縁の豪族・古市播磨法師の茶の名残りかも
はたまた、織部や有楽、方桐石州も大和に所領があった云々とも話が進む・・
実は、今西家書院では見学者へ抹茶と和菓子の有料サービスが為されている
添え釜を懸ける身として、来客へ私の茶を出しても良いかどうか微妙
話の流れで私がユルリと尋ねると、さすが名家の奥方、「どうぞ、ご自由に」とハンナリ
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