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2016.06.27 小異
昨日の稽古で塾生は籠花入を出した
上の写真は、宗全籠に紫陽花(あじさい)と矢筈芒(やはずすすき)
下の写真は、春日野に西洋百合と河原撫子(かわらなでしこ)・矢筈芒
時間が経ってからの撮影で、百合が開いてしまったのが少々悔やまれる
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前の記事・ポリスはん解説講義、碩学の御仁の洒脱な筆致、納得である
私には今回の英国のEU離脱話が、文明と文化の相克に見えてならない
文明はより広い大きなところへ向かうグローバル化を志向し、汎用性を重視
文化はより狭い小さなところへ向かうロ―カル化を志向し、専用性を重視
国家と経済は汎用性へ、民族と個人は専用性へということになろう
云い替えると、帝国が文明を築き、村が文化を育むということ
世界帝国の主人であった英国人が汎欧州に反発したホームカミング症状と見える

私はEUのことで、あるグループ組織の標語の文言の変わり様を思い起した
あるグループとは、ニチリウ、日本流通産業株式会社である
昭和四十九年のオイルショックで起こった「トイレットペーパー騒動」から生まれた会社
大手との仕入量の差に泣いた中堅流通企業が共同仕入で量の確保を企図した
ナショナルチェーンと云われた全国展開をする大手は、ダイエー、ヨーカ堂、ジャスコ、ニチイ
リージョナルチェーン・地域展開の中堅量販は、平和堂、イズミ、ヤオハン、オークワ等
他にローカルチェーンの市町村単位で展開するスーパーマーケットがあった

ニチリウとは、中堅量販企業が共同仕入機構として四十九年に設立した会社である
創業に際して、出された標語は「小異を捨て大同につく」という言葉であった
各社の社長を筆頭に協業活動は商品を超えシステム導入や海外活動までに及んだ
斯く云う私は、経営企画の分野で各社をまとめる役割に就き、グループ発展に勤めた
私のモットーは「早くニチリウを解散すること」、この言葉には理解者が少なかった
「各社がニチリウという組織に頼らずとも一本立ち出来ることが最終目的」と説明
グループ各社の人間は分ってくれたが、ニチリウの専従者からは危険思想とされた
ブリュッセルのEU本部の専従者は斯くあらんと、私は一人ほくそ笑むのである

さて、そのニチリウの標語である、最近耳にしたところでは少し変えられていた
「小異を捨て大同につく」から「小異を残し大同につく」となっていた
各社の創業オーナーが居なくなり、二世集団がニチリウを運営する中で変えたとか
創業の苦労を知らぬ世代では、統合と個別のせめぎ合いが生まれたようだ
今のニチリウの活動は縮小傾向にあり活力も失われ、離脱する社も出て来たと聞く
人間とは先人の汗を無にすることが多いものと、つくづく思う今日この頃

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